08年ボヤキ

レッドクリフ PartI 英雄の特権

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2008年11月04日



『レッドクリフ(原題:赤壁)』は
ジョン・ウーが監督を務めるアクション映画

中国文学の四大古典小説の羅貫中「三国志演義」を舞台にし
前半のクライマックスシーンである赤壁の戦いを中心に描かれる。

映画とは違うかたちに、この世界を勝手に解釈してみようと思います。

第六話 英雄の特権


総大将の周瑜は、曹操の水軍を連日のように挑発するが
うかつに乗ってこない。何度かの小戦闘が発生し
周瑜が勝利を収めたが体勢に影響はなかった

病に冒されながらも、強固な意志で冷静さを失わない周瑜だったが
焦りからか、苛立つ日々が徐々に増えてきたことを
感じずにいられなかった

周瑜にとって疑問だったのは、曹操は大軍を擁しながら
なぜ積極的に攻撃してこなかったのかということである

数以上に、こちらの水軍の実力を警戒しているのはわかるが
疑問を払拭させるだけの、答えをみつけだせない

そんなある日、同郷の蒋幹が周瑜を尋ねてきた
蒋幹は優れた弁舌をもつ人物で、今は曹操に仕官している

戦局が膠着している為に、曹操が姦計を仕掛けてくるだろうと
予想していた周瑜はすぐに会見に応じた

蒋幹の口からでた言葉は内応の約束である

家族を曹操に殺害されたことへの恨みとは
最もらしいことであり、やや面白みのない理由であった

周瑜は、どのようなことで話を信用すればいいのかを問うと
近々、蔡和・蔡中兄弟らが密偵として降伏してくると蒋幹は答えた

周瑜は、次にどのようなことで協力してくれるのかを問うと
蒋幹は懐から粉末を取り出してみせた

それはアヘンの粉末であり、蒋幹はすでに半数の兵を
中毒にしていることを説明した

周瑜の疑問だった、曹操軍の消極的な行動は
この為だったのかと納得せずにいられなかったのだが

周瑜の知る蒋幹は、この手の姦計に向かない人物であり
曹操が仕掛けたにしては、真実が事実に対して正直すぎる

蒋幹の内応が本当だとしても
周瑜を警戒させたのは、蒋幹の背後にいるであろう黒幕が
いったい誰であり、どこまで信用できる者かだった

「曹操軍には、司馬懿殿はおられるのか?」と
蒋幹に尋ねると、彼は首を横にふった

周瑜は、口元にうっすらと笑みを浮かべ言った
「この内応確かにお受けしたと、賈詡殿にお伝え願いたい」と

力強く妖艶な声の余韻がまだ冷めやらないうちに
蒋幹は、この世のものとも思えない化け物にあったかのように
席から飛びのいて驚きの表情を浮かべた

この様な姦計で、蒋幹ほどの人物を操れる人間は
曹操を除けば、司馬懿と賈詡の2人しかいない

司馬懿なら主に取って変わろうとする野望大き人物で
今回の戦いで信用するには危険すぎる

しかし、相手が賈詡なら話は変わる
いつもの悪癖で、主を曹操から別に変えたのだろうし
それは、世継ぎ争いで不利な立場の曹丕に違いないと考えた

黒幕が曹丕なら、信用できると冷静に判断したのだった

それでも、用心にこしたことはないと
周瑜は蒋幹に、離間策を嵌って張允と蔡瑁を共に処刑させてしまう
これをもって内応の証とさせたのだった

その頃、諸葛亮もまた馴染みの人物と会っていた
その男は龐統といい。諸葛亮と義兄弟の間がらであった

龐統は「鳳雛(ほうすう)」と称せられる程の
優秀な人物でありながら、まだ誰にも仕官せずにいる

諸葛亮は、再三にわたって劉備に仕えるように説得していたが
龐統に話をはぐらかされてしまい、よい返事を受けることはなかった

だがこの時は、別の話題に話が及ぶと
龐統は、劉備に諸葛亮、孫権に周瑜がいながら
曹操には彼らに匹敵する人物がいないと叫ぶ

諸葛亮は、賈詡を初めとして権謀術数にすぐれた人物が
大勢いるではないかと反論するが

龐統は、虎の威を借る小人に天下の情勢を計れるものかと
頑として諸葛亮の話を聞こうとしない

龐統は、泥酔した無様な姿でやっと本心を語り始めた
曹操に仕官して、諸葛亮と周瑜を相手に雌雄を決したいと

諸葛亮は内心唖然としながらも
いかにも龐統らしい、その道の歩みを止める気にならない

実のところ、幕外に趙雲が武装して息を潜めていた
今回も説得に応じずにいるならば
劉備を脅かすかも知れない、龐統を切り捨てる覚悟を決めていた

曹操の元へいけば、厄介な存在になると分かっていたが
有余る才能がありながら、主君に恵まれずにいた
龐統のこれまでをよく知っているので
泥酔して眠る、義兄弟の姿をみて泣かずにいられなかった

自らと同等の才能を有する者と、天下を左右する戦いに挑む
その高揚感を、少なからず諸葛亮も感じていたので

龐統ならば、尚更その思いが高ぶらずにいられないだろう

幕外にいた趙雲に、合図を送って引き上げさせると
天を覆う星をみながら、龐統が主を得たことを今は喜んでいた

翌朝、曹操の元へ向かう龐統を見送る諸葛亮に
龐統は、周瑜の口元に気をつけろと一言残して去っていく
いずれ雌雄を決するであろう、その日まで



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Posted by DJポチ at 04:01│Comments(0)08年ボヤキ
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