08年ボヤキ

レッドクリフ PartI 暴虐の懐刀

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2008年11月02日



『レッドクリフ(原題:赤壁)』は
ジョン・ウーが監督を務めるアクション映画

中国文学の四大古典小説の羅貫中「三国志演義」を舞台にし
前半のクライマックスシーンである赤壁の戦いを中心に描かれる。

映画とは違うかたちに、この世界を勝手に解釈してみようと思います。

第四話 暴虐の懐刀


曹操は、孫権と劉備の同盟を聞いて
苦々しくは思えても、ことさら動揺することはなかった
今の彼は、それ以上に難解な問題を抱え込んでいた

北方の騎馬を中心とする軍隊は
水戦に不慣れなことはわかりきったこと
付け焼刃な水戦の訓練をしても
予想以上の結果が得られない以上は
今回の遠征で降伏してきた荊州の水軍に期待する以外にない

しかし、運悪く荊州水軍には病が流行しており
軍隊として機能していなかった

天の時を失っていたことを、曹操は悔しがるが
ここで一戦も交えずに後退することもできなかった

連勝している今の曹操軍は、士気が落ちていない
新参者の将軍達は、武勲を立てることに躍起になっている

水戦ではなく、陸戦であれば曹操に敗北する理由がなかった
そのこともまた悩ましく、判断がつかない状態に陥っていた

こんな時、あの男がいてくれれば
郭嘉は曹操が「私の大業を達成させてくれる人物だ」と言った男で
その策はいずれも的確で、すべてを見透かしているかのようであった

この遠征の前に病死した、若い軍師の死を今も惜しんでいる

やはりあの男しかいないのか
曹操は、最も頼りたくない男を呼び出す

その名は賈詡文和、曹操軍の屈指の軍師だが
董卓を初めてとして、次々と主を変えては
曹操を二度も打ち負かした、私怨の相手でもある

賈詡は「曹操殿の威名は既に南方まで知れ渡っています。
ここは攻め取るより鎮撫に務めるべきです。
さすれば兵を用いずとも帰順してくるでしょう。」と述べ出兵に反対した

曹操は、まさかこの男から
ここまで真っ当な見識を聞くことになろうとは思わず
「おぬしは本当に賈詡文和か!」と叫んでしまった

賈詡は曹操に人払いを願い、やっと本心を開いた
「どうせ役に立たないなら、荊州の水軍を囮にしなさい」と

賈詡が立てた策はこうだった

まず、軍を曹操本体と荊州水軍の2つに分ける

目的地は、陸口である
ここを、孫権・劉備軍よりも早く占拠できれば
孫権の本営がある柴桑まで、陸路を進むことができ
曹操軍の強力な攻撃力をいかんなく発揮できる

その為には、囮を使って孫権・劉備軍を
別の場所に引き付けておかなければならない

その場所は、劉備の本拠地である夏口である
ここを荊州の水軍に襲わせれば
同盟を結んだ手前、孫権も援軍を送られずにいられない

当然、夏口を襲う荊州の水軍に勝算は無く
全滅は免れないだろうが
その間に陸口に橋頭堡を築くことができ、戦局は一気に決する

曹操は生まれて初めて、心胆を寒からしめる
賈詡という男が人の皮をまとった化け物にみえ
とてもじゃないが、その策に感心することができない

曹操の想像では、郭嘉も同じ策を言ったに違いない
しかし、郭嘉には人の温もりを感じられても
賈詡は、感情を絡めない冷淡な印象しか与えない

「この男、この場で首をはねるか」と曹操は考えたが
その時、賈詡が人払いをした意味を悟った

ここでのやりとりを、誰も目にしていない以上
曹操が賈詡の首をはねたことを周りは詮索する

その意味を、正しく理解できる者もはいるだろうか?
何せ、将軍達の前で真っ当な見識を披露した後にである

曹操は、計算尽くの賈詡の行動を怒りと憎しみの眼で睨みつけるが
ここまでのせられて、怒りにまかせ首を切るのは
彼自身のプライドがゆるさない

曹操は、全将軍を呼び出し
夏口を目指して進軍する旨を伝える

幕内には、降伏した荊州水軍の武将たちもいて
曹操は、彼らに先発して夏口の攻撃を命じた
本体は後から出発して、孫権・劉備軍を挟撃する

当然これは、偽りの策であり、曹操本体が向かうのは陸口であった



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Posted by DJポチ at 09:12│Comments(0)08年ボヤキ
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