08年ボヤキ

レッドクリフ PartI 臥龍開眼

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2008年11月03日



『レッドクリフ(原題:赤壁)』は
ジョン・ウーが監督を務めるアクション映画

中国文学の四大古典小説の羅貫中「三国志演義」を舞台にし
前半のクライマックスシーンである赤壁の戦いを中心に描かれる。

映画とは違うかたちに、この世界を勝手に解釈してみようと思います。

第五話 臥龍開眼


曹操軍来るの報は、夏口に到着したばかりの
孫権・劉備軍の総大将・周瑜にもたらされた

周瑜は哨戒にでていた者から、前軍が荊州水軍であることを聞いて
後軍である、曹操本体の目的地が陸口であることを確信する

同盟上は、劉備本拠地である夏口を守らなければならないのは
当然であるとはいえ、周瑜の思惑としては
孫権・劉備の全水軍が夏口に集結している以上

夏口を占拠した荊州水軍が勢いに乗じて
長江を下り、孫権の本営がある柴桑を直接襲た場合に
水軍がない孫権が苦戦することは、容易に想像できる

つまり、後方の憂いを立つためには
ここで一戦して、荊州水軍を叩いておかなければならない

病床の軍など相手にもならないが、問題は時間である
曹操本体が陸口に上陸する前に、決着させねばならない

周瑜は、わずかな手勢と共に陸口に向かわせた
程普と諸葛亮がどこまで時間を稼いでくれるかが気がかりだった

一方、程普と諸葛亮は陸口で
どうのようにして曹操本体を足止めするのかを練っていた

兵法に従うならば
曹操軍の半数が陸に上がったころを見計らって
強襲するのが定石ではあるが
この場合、味方に十分な兵力が必要である為
少数である、程普と諸葛亮では無理があった

よって、水上にて敵を足止めするのが
最もよい策ではあったが
陸口に急いで来たために、船舸と呼ばれている
快速の小型船しかなく、それも難しい

諸葛亮は、この季節特有の視界を妨げる霧を利用して
状況を有利にできないかを模索していた

その頃、曹操軍本体は江陵を出立していたが
思わぬ足止めにあっていた
この地の地理に詳しい、荊州水軍がない状態で
霧の中を進軍したところ、誤って洞庭湖というところに迷い込み
2日をいたずらに浪費した

この時、曹操軍を悩ませていたのが
霧の中を進軍する船を、松明の火と音で誘導していたのだが
意図的にこちらの進行を誤まらせる
敵の奇兵が紛れ込んでおり、敵味方の合図の見分けがつかない

これは、諸葛亮が送り込んだ部隊によるもので
荊州水軍が先導しないことを見越して弱点を突いたのだった

曹操は司令部の伝令船を利用して
敵の船を補足し、混乱を回復させることに成功した
霧中の進軍は変わらないが、周瑜よりも先に陸口に到着する

陸口には、程普と諸葛亮がわずかな手勢を率いて
陣を築き曹操を待ち構えていた

曹操は諸葛亮の陣をみて、まだ若いが兵法の利に適っていると
評価して、部下の将軍達に攻撃を命じた

程普は、諸葛亮の案で船舸に火薬を詰め込んで
一隻、一隻を鎖で繋ぐ「連環の計」をこうじていた

曹操の船が近づくと船舸を爆発させて
容易に上陸をゆるさなかったが、時間の問題である
そのうち、船舸の数が尽きて曹操の船から兵が上陸してきた

それでも尚、頑強に矢を撃って抵抗するものの
程普と諸葛亮の軍は散々に打ち負かされてしまい
陸口を曹操に明け渡してしまう

上陸後曹操は、程普と諸葛亮を取り逃がしたことを
残念がったが、しばらくぶりに土を踏んだ北方の兵に
警戒を十分にしながらも、休息を取ることを許したのだった

強固な陣を構えるため、工作隊に指示する曹操が
霧が晴れつつあった長江を眺めていると
その眼に、ありえない光景が広がりはじめていた
片手にもった軍配をほうりなげ
物見の先端にかけつけると、体を振るわせずにいられない

孫権・劉備の水軍が対岸を埋め尽くす強固な陣を構えていたのだった

陸口を先に占拠された孫権と劉備は
すぐに、引き返して柴桑の守りを固めるのがどおりであり
目の前に陣を引く意味が理解できなかった

曹操はすぐに兵を呼び寄せ、後回しにしていた
哨戒を急がせるが、それと同時に驚くべき報告がはいった

曹操達がいる場所は陸口ではなく
陸口の対岸にある、烏林と呼ばれる場所であり
孫権・劉備が陣を構えているところが本当の陸口だった

曹操は腰を砕いて座り込む
伝令船を利用して敵船を補足したこと
それこそが諸葛亮の罠で、曹操たちの方角を誤らせて
烏林を陸口と思い込ませたのだった

陸口を無人にし、烏林に陣を構えるという大胆な策と
あえて「連環の計」という目立つことをして
戦術家として一流である、曹操を魅了し敵対心を煽った
曹操の警戒を解くのに十分であったに違いない

曹操は人目をはばからず、大声で泣き叫けんだ
敵にここまでしてやられたことは、一度としてない
プライドをズタズタに切り裂かれ
諸葛亮の恐ろしさを、己の身をもって知った

それは、対岸にいる総大将・周瑜も同じだった
程普から聞いた諸葛亮の策は、自らの策を全て超えており
曹操と同じように体を震わせずにいられない

孫権にとって、諸葛亮こそが災いの種になりかねない

自らの死期が迫っていることを知るからこそ
ますます、その存在をほっておけないのだった



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Posted by DJポチ at 06:36│Comments(0)08年ボヤキ
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