レッドクリフ PartI 赤壁(前)

DJポチ

2008年11月11日 06:51


『レッドクリフ(原題:赤壁)』は
ジョン・ウーが監督を務めるアクション映画

中国文学の四大古典小説の羅貫中「三国志演義」を舞台にし
前半のクライマックスシーンである赤壁の戦いを中心に描かれる。

映画とは違うかたちに、この世界を勝手に解釈してみようと思います。

第九話 赤壁(前)

周瑜率いる孫権軍が、活発な動きをみせる
烏林に陣営をかまえる曹操軍を取り囲むように
全軍を総動員して、重厚な布陣を引いた

この動きは、同時に曹操軍の警戒を強め
緊張を走らせる行動になったが、最終局面が近いことを
曹操も周瑜も本能で感じ取っていた

黄蓋は火計のため、焚き木や枯れ草を詰め油を注いだ
船を用意し陸口の水軍の中に配置する

周瑜は、夏口の劉備の動きが気になっていたが
城の中に閉じこもったまま、全く動きをみせないので
肩透かしを食らったような気分になっていた

いかに諸葛亮でも、今から行動を起こしたところで
もう遅い。彼の智謀がどれだけ高かろうと
神速を極めること、この周瑜以上にできようかと
おごった発言をして魯粛を驚かす

そして運命の日

この日は朝から霧が立ちこめたが、夜になると普段と違って
南から北に向かって風が吹いた。この風の強さなら十分に
火計を使って曹操の陣営を焼き尽くすことができる
周瑜は偽りの投降者である、蔡和・蔡中兄弟を呼び出して首をはねた

黄蓋は、事前に曹操に降伏の密書を送って
投降することを約束している
もちろんこれは、曹操の陣に近づく口実であり偽装であった

あとは、周瑜の指示を待って出陣するだけというとき
前線にいる黄蓋のところに、十艘の船が近づいてくる

不意の来訪者に声を張り上げた黄蓋だったが
大声で「私は、蒋幹だ」と返事が返ってくる

事前に周瑜から、内応者である蒋幹が敵陣を逃げ出してくるかも
知れないと話を受けていた黄蓋は、その船を自陣に招き入れる

孫権の兵士が見守るなか、蒋幹は頃合をみて船に点火し突入させる
孫権水軍は、陸口の地形と総攻撃で布陣が厚くなったため
ちょうど、密集隊形をとったようになっていた
その船が黄蓋の船にも引火して、激しい炎を上げ船団を焼き尽くす

孫権の陣に、炎が上がったのを確認して
曹操は総攻撃の合図を下した

この前に、龐統から東南の風吹くと知らされた曹操は
憤慨して彼の首をはねそうになるが

龐統は、初めから「連環の計」は周瑜に火計を意識させ
その手を限定させるために仕掛けたことと説明する

龐統ほどの男でも、周瑜に縦横無尽に策を立てられたら
対抗することが難しい。それなら初めから、彼の打つ手を
誘導して限定させればいいことだった

東南の風に注意していれば、周瑜がいつ攻めてくるのかはわかる
「連環の計」を対岸よりみえる所は続けさせておき
後方のみえない船は、鎖を外していつでも出陣できるようにする

周瑜と同郷である、蒋幹を投降させるように仕向ければ
周瑜も油断して、自陣に引き入れると曹操に詰め寄った

龐統にとって幸運だったのは、蒋幹と周瑜が内応していたこと
もちろんその事実は知らなかったが、これが無ければ
いかに同郷とはいえ、蒋幹の投降を周瑜がゆるすはずがなかった

陸口を埋め尽くすように、曹操の水軍が押し寄せてくる
周瑜の水軍は抵抗を続けるが、地上に陣取る本隊まで
曹操の大軍が押し寄せ攻撃を仕掛けてきた

頑強に抵抗をみせ、容易に戦局を決定付けることは無かったが
それも長くは続かないだろうと
周瑜自身の心は敗北の2文字で埋め尽くされていく

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